「妊活」は「忍活」だなぁと本当に思う。
ジェットコースターのような感情の起伏、期待、落胆を繰り返す。
今でこそ、年齢に制限はあるものの保険治療ができるが、私の頃は自費だった。
妊活は時間もお金もかかる。あの時間とお金があれば何が出来ただろうと思うこともあったが、やってよかったと思えるのは、悔いなく終えることができたから、の一言に尽きる。
高齢になってからの妊活は特に、
細い細い針の穴に糸を通すようなもののようだ。
わずかな可能性を信じ、そこに莫大なお金と時間をかけていく。
病気やケガのように、8割治った、とか、快方に向かっている、などという世界ではなく、
0か100、できるかできないか、のみ。
不妊治療とは、時には人格も変える。
クリニックの待ち合いで、2人目不妊と思われる小さな子を連れた患者さんを
思いっきり睨んでいる人もいた。
(精神面を配慮し、子連れはNGとしているクリニックも多いそうだ)
そして周りの幸せを喜べなくなる。
芸能人の、赤ちゃんできました報告いらない。
マタニティハイの妊婦さんなんて、最悪だ。
子連れの幸せそうな人、うざい。
私も治療中、お店のお客様で「妊娠中なので生ものは食べられません。」と言われたら、
「だったら来ないで!」と思ったし、
赤ちゃんのお食い初めの予約が入っている日はなんとも複雑な気持ちになった。
自分の中にそんな黒い部分があったなんて。
そして、どんどん心が狭くなっていく自分が嫌いになる。
向き合うべきは自分の心なのに、
常に周りと比較し、「どっちが幸せか」でしか自分の幸せを計れなくなる。
妊活ってなかなか人に言えないんですよね。
だから、知らなくても見えなくても周りに妊活している人がいるかもしれません。
もし誰かに「後悔しない妊活のために何をしたらよいか」と聞かれたら、
「きちんと調べて自分に合うクリニックを選ぶこと」と答えます。
口コミ評価を読みまくってください。
できれば都会の有名なクリニックを勧めます。理由は設備が整っていて早いから。
先生に、優しいとか気持ちに寄り添ってくれる、ということは必要ないと思います。
とにかく、この先生なら結果を出してくれそう!と思えることが大切です。
身体の状態は変わるので、先生の治療方針や言うことが変わるなんてことザラにあります。
その時に「え、前と言ってること違うじゃん」「この先生大丈夫なの?」と不信感を抱いたら、それがストレスになります。帰り道、モヤモヤして、ネットで調べ始めたら沼ります。
先生を信じ切れるかどうか、これがとても重要です。
信じられる先生に出会ったら、後はもう一任。
工場のラインに乗ったつもりで淡々と言われることをこなすだけ。
難しいことは先生に任せて、自分は楽しいことだけ考えたらいい。
妊活中は旅行はともかく、友人と遊ぶなど先の予定も立てられません。
だから、「妊活が終わったらしたいことリスト」なんて作るのもいいかも知れません。
私の場合、「猫を飼う」でした。
今、2匹の猫との暮らしにとても幸せを感じています。