私の誕生日翌日に他界した父

家族

父は私が39歳の誕生日を迎えた翌日に亡くなりました。

可愛い娘の誕生日を、悲しい日にさせたくない、
と頑張ってくれました。
普段はそんな風に考えないドライな私ですが、この時は本当にそう思えました。
ありがとう、お父さん。

父が亡くなった時、
私、母、父の姉と妹の4人で看取ることができました。
祖母の時もそうでしたが、こういう時兄はその場にいたことがありません。

施設で数か月過ごした父の容体が急変し、病院へ搬送されてから3カ月ほどだったと思います。
誤嚥性肺炎でした。
これが本当に苦しそうで、吸引処置をするのですがこれも本当に辛そうでした。
認知症になってから表情の変化も乏しくなりましたが、この時の苦しそうな顔は今でも忘れられません。

亡くなる一週間前から、ついに点滴だけになりました。
お医者さんからも、後一週間くらいでしょう、と。
病室で酸素マスクをつけた父。酸素のポコポコという音を聞きながら
病室に流れる穏やかな空気。
心の中でお父さんありがとう、と言いながら手を握ったりさすったり、
とても温かい空間の中で最後の時を過ごすことができました。

亡くなったことは悲しかったけれど、同時に安堵もしました。
お父さん、楽になったね。
葬儀にはたくさんの方が来てくださり、誰にでも分け隔てなく優しかった父の人柄がしのばれます。
父が人を悪く言ったのを、私は聞いたことがありません。
争いごとが嫌いでとにかく温厚。意地悪な要素が全くない本当に優しい父でした。
そんな父に助けられたとたくさんの方がかけてくれた言葉は
残された家族を癒してくれました。
お父さん、こんなにたくさんの人が慕い、悲しんでくれているよ、
すごいね!

今、母はおかげ様で年の割に元気で、
趣味仲間との付き合いや月一の頻度で会う孫(兄夫婦の一人息子)や私との時間を楽しんでいます。
私もなんとか幸せに過ごしています。
この時間は父からのプレゼントのように感じています。
父が、「これまでありがとう。これからはそれぞれ好きなように自分の人生を楽しんで!」と、母や私に言ってくれているような気がします。

それに応え、限りある時間を精一杯生きることがお父さんへのお返しになるのかな、と感じます。

タイトルとURLをコピーしました