隣県の気取った会社社長Kさん③

婚活

Kさんとの2回目のデートは、焼き鳥屋さん。
これ、私のチョイスです。
大の焼き鳥好きの私が月イチくらいで通っているお気に入りのお店。

1回目のオシャレなデートは全てKさんにお支払いいただいたので、
今回は私が支払うつもりで、Kさんに気を遣わせないくらいのお値段設定のこのお店を選びました。

それと、デートでもお友達との食事でも、カウンター横並びが好きなのです。
正面と違って目を合わせる頻度も少ないし、なんか隣の方が落ち着くし、話しやすい気がします。

ここでKさん、自分の過去について話してくれました。
まずは前の奥さんとの離婚理由。
それは、前の奥さんが奥さん自身の親御さんのことを「〇ねばいいのに」と言ったからだそうです。
どのような言い方だったのか、どういうシチュエーションだったかは分かりません。そう言いたくなる程のことがあったのかも知れません。
ただ、Kさんの中では、この一言がどうしてもこれから先夫婦としてやっていく上で、見過ごすことができなかったそうです。

前の奥さんがすぐ離婚を受け入れたのかは分かりませんが、
言葉って消せないんですよね。
言う側はそれ程深い意味はなくても、聞く側にとってはそうでないことってありますよね。

Kさんのお子さんは、前の奥さんとの間の男の子で、当時高校生でした。
息子さんには婚活をしていることを伝えていて、「がんばって」と言われているそうですが、男子高校生ってめっちゃ多感な時期ですよね。
奥さんと別れたとはいえ、息子さんにとっては大事なお母さん。
複雑だろうな、と思いました。

ここで予想外のことを言われました。
Kさんと高校生の息子さんとの間で、次期社長は息子さんと決まっているため、
もしご縁があって私と結婚し、男の子を授かっても会社は継がせられない。
それでもいいですか?と。

え?そんなこと考えたこともなかったですけど。
会社社長と結婚し、あわよくば前妻との長男を出し抜き、自分の子供を次期社長に据えて、
自分は社長夫人(まあ、結婚したらそうなるか)かつ次期社長の母として大きな顔して居座る、なんて強かなことを私が考えていると思ったんか?

「そんなそんな、考えてもいないですそんなこと」と全力で否定しました。
実はKさん、少しだけお付き合いをした女性にそのようなことを言われたことがあるそうなんです。
「私たちに男の子が産まれたら、あなたの後を継ぐのは私たちの息子よ」って
なんかの昼ドラか?ここは江戸城大奥か?
めっちゃ怖くないですか??

いや、この先お付き合いがどうなるかは分かりませんが、私、そういう欲は全くないから安心しておくんなまし。

食事が終わり、一段落したころ
私がお会計をしようとすると、

Kさん、にっこり笑って
「女性はそんなことしなくていいんだよ」

こんな言い方されたら、お財布をしまうしかありません。
女性を「守るべきもの」「大切にされて当然の存在」と思ってくれているような扱いに、
( *´艸`)

そして焼き鳥の後の二軒目は、なんとマジックバー!
焼き鳥屋さんを出た後、Kさんが電話で予約してくれました。
会員制ワインバーにマジックバー。お店の引き出しが凄すぎ!

もちろん初めてのマジックバー。

 

目の前で次々に繰り広げられるマジックに「すごーい!」って100回くらい言った。笑
コインが曲がったり増えたり、近くで見ても仕掛けが全然分からない!
マジックを楽しむというより、何とかして見抜いてやる!としかめっ面でガン見しているんだけど全然見破れない私に、とても満足そうなKさんでした。

少し遅くなったため、タクシーで自宅近くまで送ってもらい解散。

 

一人になり、今日のことを振り返ってみる。

なんかなんか、私全然地に足がついていない。
Kさんはもちろん魅力的な人だけど、
Kさんそのものより、Kさんといることで得られる美味しい食事や見たことも経験したこともない娯楽にやられているだけではないか。
分不相応過ぎて落ち着かない。現実味がない。
なんか違う世界に迷い込んでふわふわしているような、そんな感覚でした。

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