今日、実家の愛猫が旅立ちました。
2006年6月6日に産まれのオス、名前は「あずき」
17年と半年近く、ともに過ごしてくれました。
先週実家に帰った時、いつもの愛猫のにおいとは違う感じと、
寒くなってきたのに体毛がふさふさにならず、にもかかわらず毛玉がたくさんあったことが気になっていました。
食欲も落ちてきており、身体を撫でると骨を触っているかのような細さに驚きました。
予感めいたものがあったのかもしれません。
昨日の15時頃、母からのラインで
「あず(愛猫の呼び名)が食べなくなりました。私(母)の膝に抱かれたがって元気がありません。苦しがる様子もなく家で横になっています。外出を控えて見守っています」とのメッセージ。
すぐ電話をかけ、状況を聞きました。
愛猫の様子が目に浮かび、涙が溢れてきました。
たまたまそばにいた旦那さんが、「夜、仕事終わったら帰ったら?車使っていいよ」と言ってくれました。
仕事の後、実家へ。仕事場を出る時母に電話をしました。
母「今日明日もつかどうかかな」
待っててね、あず。
早く帰ってあずを抱きしめたいのに、実家が近づくと怖くなりました。
実家に到着し、あずのいるダイニングキッチンのドアを開けるとあずが横たわっていました。
そのまま抱き上げると、あまりの軽さにびっくりしました。
3日前に大好物のチュールを一袋食べたきり、何も口にしていないそうです。
そして、うまく鳴くこともできなくなっていました。
口を開けて鳴いているつもりでも、声が出ません。
私は膝にあずを抱いたまま、ずっと話しかけていました。
覚悟はできていました。
願いは一つ、私の腕の中で旅立たせてあげたい。
これまで犬や猫を何匹も見送ってきました。
一匹として悔いなく見送れたことはありません。
あずは、最期の最期まで、暖かい部屋で、あずが一番くつろげる場所で、安心して幸せなままいかせてあげたい。
「いつもそばにいて寄り添ってくれてありがとう」
「いい子だね、大好きだよ」
ずっとずっと話しかけていました。
あずは、人が好きで、家の中より外が好きな猫でした。
人が好きというのは、人見知りせず、家の前を散歩するご夫婦や郵便局の配達のお兄さんにまでゴロゴロと懐いてしまうのです。
あずを撫でるのを楽しみに、実家の前の道を散歩コースにしている方もいたくらいです。
そして外で遊ぶのが大好きでした。
昼間、母はあずに外のにおいや空気を感じてほしく、あずのベッドごと抱きかかえ外に連れ出したそうです。
その時に目を細め、本当に気持ちよさそうな顔をしたそうです。
夜、母はこのままあずの隣で布団を敷いて寝ると言いました。
「私があずの隣で寝る」と返しましたが、明日不妊治療のクリニックの予約があり、採卵に向けて大事な時期の私に少しでも体調を整えてほしいから、と、自分の部屋で寝るよう諭されました。
何かあったらすぐ起こしてね、と自室へ行きました。
そして眠れるはずもなく、朝を迎えました。
あずもちゃんと朝を迎えていました。
そして今日、クリニック受診のため朝7時過ぎに家を出ました。
「あず、行ってくるね。お昼前には戻るから、待っててね」
クリニックへ行き、2日後の採卵が決まりました。
母に、「11時半頃戻るね」とライン。「分かりました」との返事。
クリニックを出て、まっすぐ実家へ戻りました。
ここでもやはり、早く帰りたいのに怖くもありました。
実家に戻り、ドアを開けた時、ブランケットにくるまれて横になったあずの上に置かれた小さな花束が目に飛び込んできました。
「あず、頑張ったね・・・」
あずに駆け寄り、涙でぐちゃぐちゃになった顔であずを抱きしめ、何度も頬ずりしました。
身体は冷たく、硬くなっていました。
9時15分、眠るように旅立ったそうです。
私の腕の中で、との願いは届きませんでしたが、一番長く一緒にいた母と二人きりで最期の時間を過ごしたんだと思うと、幸せな最期だったのだと思います。
ひとしきり泣いた後、母と花を買いに行きました。
明日、裏庭にあずのお墓を作って、お墓を花で囲みたいそうです。
もともと園芸が好きな母。ダイニングキッチンから見える場所でいつでもあずと話ができるように、あずが駆け回っていた木や花がいっぱいの裏庭の一画に。
私はあずと最期のお別れをし、家に戻りました。
きちんとお別れをしたはずなのに、もう触れられないんだと思うととめどなく涙が溢れてきました。
家に着いて、旦那さんの心配そうな顔を見た瞬間泣き笑い。
私が悔いを残さないよう、快く送り出してくれたことへの感謝でいっぱいになりました。
それから、あずを可愛がってくれた親戚や兄、義理姉にラインで知らせたり、
あずの写真や動画を見て、またほろほろ泣いたり。
あず、また会えるからさみしくないよ。
少しバイバイするだけ。
絶対また会えるからね。
たくさんの幸せをありがとう。
つらい時、そっとそばに来て寄り添ってくれてありがとう。
大好きだよ!!!
これからもあずはずっと私の中にいて、私を見てる。
そんなあずに笑顔を届けられるよう、元気で過ごそうと決めました。